独学ラジオ 第2回 倉下さんと読書について
第2回(前半)「付箋で位置という概念が生まれる」(倉下さんと読書について)
本の選び方
本の情報を知る
リアルの書店、色々な本屋に行く
趣味の合う人をSNSでフォロー
SlackやDiscord
本の紹介サイト
読んだ本の中に出てきた本
知った本については買う本リストへ
買うときはフィーリング
リストの上から買うわけではない。買う時もすぐ買ったり、3日間ぐらい悩んだらする
今まで買ったことがない人や、分野は少し踏み切りにくい
3日間待って、まだ欲しければ、それを肯定する
電子書籍でしか買えないものを除いては紙の本、新書やライトノベルは電子書籍
知的生産に使う本は基本紙
紙の本の方が赤線を引いたり、物理的な作業がしやすい
執筆などの作業以外の時はスマートフォンなどの電子機器は使わないようにしている。
日中ほぼパソコンやスマートフォンを使っているから逆に紙の本というのもある
電子書籍はフローが流れている。紙の本は物理的なリマインド機能が強い
本の数
2010年以降2500冊以上は購入している。
mailman.icon数えない方が精神的に良い説好きです(笑)
いつ頃から本を読み始めたか
中学ぐらいから赤川次郎さんのライト推理ものをほんの少し読んでた。 高校の3年生から本格的に現在のように繋がるような読書が始まった。
読書感想文の課題だった
本の中でトーマス・マン『魔の山』という本が出てきて、そこからどんどん芋づる先に読んでいった そのあとのジャンルは?
村上春樹さん から後様々に分岐して合流
世界古典文学
ハードボイルド小説
岩波文庫などの哲学書
ビジネス書
心理学
経営書
分岐して合流、つながりが分かるのが楽しい。
人類の知識は積み上げてきたものはネットワーク構造、知識である本もネットワーク構造になっているはず。
一日の中で本を読むタイミング
隙あらば
日中はタイムライン
日中の仕事が終わった夕方~晩御飯の支度をするまで、人文書などを読む
場所や時間による読む本の傾向
お風呂や寝る前は軽めの本
仕事を終わった後は机にいるので、考えながら読みたい本
日中はあまり読まない。
大切な本は細切れに読むよりはできるだけまとまった時間で読みたい
本による読み方の違い、ハイライトや読書ノート(小説以外)
本をハード、中間、ソフトの3分類とする
ソフト~中間は電子書籍ならハイライト引く、紙の本ならドックイヤーで、自分が気になった部分の足跡を残すぐらい、読書ノートやメモはほとんどとらない
ハードな本は立ち止まって考えることは多い
軽い本のハイライトはために読み返すこともあるぐらい
理想を言えば、全部の本について読書メモ、ノートを取れればいいが、そうするとそれだけで一日が終わるので、取捨選択が必要。
ハードな方に比重を置いた方がよいと考えている
ソフトな方は1~2週間、1ヶ月と経って、意外と重要だったと思った時に読み返したり、まとめたりする。その時に足跡というヒントがあるか、ないかで難易度が違う
10冊に一冊あるかないかだけど、一応ハイライトとかつけておこうぐらいのイメージ
ドッグイヤーがあれば思い出せるし、ソフトな本はだいたい10個以下のハイライトなので、そのポイントポイントを振り返るようなイメージ
ほぼ引かない
再読したときにいいセリフとかに引いたりする。(どこかで使いたいもののことが多い)
小説は登場人物に心理を重ねるので、読んでいる自分を意識しなくなる → ハイライトしようと意識しなくなる
読書メモを取るとは、本とは違った視点があるからこそ。だから小説では違った視点ができにくい
逆にハードな本は著者と対話するようなイメージ、読書メモ的なツッコミが入る
再読するときは自分の読書観が出やすい
mailman.iconこれはなぜか?ひとつは登場人物の未来を知っていることで、どうしても俯瞰的な思考になって、心理的にずれが生じやすくなるのかも。比較、俯瞰はメタ認知を促す。もし未来を知る能力があったら、もしかしたら自分に感情移入できなくなるのかもしれない。 小説のように没頭する本と著者と対話するような本を読むことは同じ読書のカテゴリーでも別々の行為
付箋は使いますか?
あるテーマで本を書こうというときに重要な箇所に付箋を貼りなおすことはある。日常の読書ではほぼない
付箋はアクセスのしやすさ、移動のしやすさがある。
ドックイヤーは本を閉じているときにどこがドックイヤーか分かりにくい
付箋は位置という概念が生まれる。この付箋のところには何が書いてあったかが分かるようになってくる。目印よりも一段濃い意味を持つマーキングになる → すぐ探せる
mailman.iconライフハック大全に「記憶の宮殿」のような暗記方法
mailman.iconゲンロン戦記において、わざわざ領収書をもう一度紙に印刷してファイルすること
本棚の本の位置
そのときのテーマによって位置が変わる。テーマに関連する本は目につきやすい位置へ
本を読む体勢
机の椅子や座椅子が基本
歩いて読むこともある。眠たさ防止
身体の状態と精神のつながり → 例:口角を上げると楽しい気持ちになる
寝る態勢で読むことはない → 眠る体勢だから
後半 「完璧に読書録をとることをやめても何も困らなかった」
「全部重要=全部重要でない」
読書ノートはいつ頃から取ってますか?
高校の頃からメモ魔
読書録を撮らなければいけないという使命感
立花隆さんのおすすめ古典100冊のようなリストがあった
継続してというよりは断続的にとってた
パソコン、メディアマーカー以後はずっと購入記録は取れている
今はブクログ、本を買って帰りにアプリでとってる
読んだ本の管理は別の方法と分けている
分けている理由は?
メディアマーカーなどはスマホで記録が取れるのが良い。でも読書メモなど文章を書くのであればパソコンがいい。メディアマーカーではなくても良い感、特別な理由がなくなる
メディアマーカーからEvernoteに自動でコピーされるので、そちらで管理
Evernoteには本以外にも情報が集まっている
ノートブックの移動や、タグの付け替え
Evernoteと同じことはできない。使い方が違う
別の形でEvernoteで管理するようになった
真ん中にカレンダー、左が買った本、右が読み終わった本
買った本と読んだ本のバランスが可視化できるやり方
Notionでやると完璧、むしろ完璧すぎる
ラフさがなくなる。もっと完璧にというのが促される
全てを完璧にやろうとすることは、逆に全てを同列に扱うことになる
ある程度のラフさが許容される方が長く付き合っていけるのではないか
完璧にしたい欲求について
過去に続けられなかった理由はそういった欲求が大きかった
挫折を繰り返して、別に完璧じゃなくていいんじゃないかなと気づいた
悟るきっかけ
Evernote→Scrapbox→Evernoteの読書録変遷
メディアマーカーは全て自動でEvernoteに記録される→絶対読みたい本とそうでもない本がデジタルだと同列に並んでしまう
10冊のうち1冊が自分にとって価値あるものだと仮定、でも10冊分のノートができてしまう
価値を見出しにくくなる。ノイズが多い
雑踏に紛れてしまう
大切なものと認識されないので、ノートを開きたくなくなる
データーベースはできているが、人間が情報を扱う上では、むしろ邪魔になっている。知的生産としては良くない。
いいことは完璧なデータが残っているだけ。
完璧に取ることをやめても何も困らなかった
小説を読んだ後おもしろかったしか残らない問題について
基本的にはおもしろかったで終わるが、おもしろかった感度が高い本は、読み終わった後なにがおもしろかったか考える
そうやって考えた本についてはやっぱり残っている。
ブログに書いたものは情報の構造が人に伝わるように残っているので、自分でも思い出しやすい。 ※全部の本ついて書く必要はない(再強調)
おもしろかった感度が高いものは暇ならメモを残すぐらいの気持ちで
全部重要というのは全部重要でないということ
好きな本、おすすめ本
『知的生産の技術』
息の長い本
何度読んでも再発見がある本。
現代におけるデジタル社会における情報の扱い方に有益な示唆
アナログの頃なので、均等に書かなくていいみたいなところは言及されていない。
情報をデジタルほど多く扱えないため
『仕事は楽しいかね』
ビジョンを見つけて邁進するのが正しいんですか?ということを警告する自己啓発本
ほぼ名言ばかりの本。
若いころ布教していたことがあるぐらいの本
『マネジメント(エッセンシャル版)』(P.F.ドラッカー)
付箋がたくさん、ページの半分ぐらい赤線
マネジメントとはどうあるべきかが書いてある本(日本の管理職とは別次元)
情報社会における知識労働者はどうマネジメントするか
ホワイトワーカーやフリーランスの方におすすめ
色褪せない名著
『方法序説』(デカルト)
実用的なことが書いてある
「困難は分割せよ」
哲学によって実用的な思考力が上がると思っている
とても読みやすい
プラトンあたりは読みやすい
難しいものになると見開きで一文が終わらなくなる
mailman.iconどのぐらい入り組んだ構造の文章になっているのか、逆に気になってきます
哲学っておもしろいんだなと気づかされた一冊
翻訳書、どのレーベルがいいのか問題
「光文社古典新訳文庫」
新訳なので読みやすい
ボーナストラック
読みかけの本はありますか
中断の本はいっぱいある。理由はつまらなかったとか難しいなどが大半
ごく稀にすごすぎて読めない本がある
あまりにも説得力がありすぎて、自分に反論できる素地がまだない場合は飲み込まれそうな恐怖がある。
これらもう一回勉強してからにしようという中断
『コークの味は国ごとに違うべきか』
英語で世界へ計画(野望?)
Evernoteなどの使い方は日本人は細かいはず。
必要な語学レベル
読書録おすすめツール
①普段使いのツールに並行して書く
日記や手帳など自分が普段使っているもの
②専用のツールを作る
プロフェッショナル化
読書録を書いていることを思い出せるツールが良い
まず書くことを習慣にする。記録に使っているツールがあれば、それに相乗りする。
デジタル、例えばアプリは起動するまでの手数が多い。
例えばiPhoneの画面にアプリ1つとかなら習慣化しやすいかも
将来的にはScrapboxなどを見据えておくと、繋がりが楽しめる
Scrapboxのリンクの作り方のコツ
レベル1
著者、読んだ日
レベル2
キーワード
自分で文章にすることによって、キーワードが統一されるので、リンクする
レベル3
本の内容について、自分でノートのタイトルをつける
自分でポイントを概念化する
概念化したら、他のページにもリンクしていく
倉下さんにとって「読書」とは
趣味で、仕事で、ライフワーク
本を読み続けること
「本」は
紙や電子書籍で文字ベースで終わりがあるもの
倉下さんにとってオーディオブックは読書と感じない
読む中で、世界に入り込んだり、著者と対話する
ポッドキャストなどでは、それはしにくい
同じ文章を5〜10分考えることに向いていない
自分が主体になって作り出している
他のものは補助が多い。